父の日に寄せて

dad

今回の帰省で、およそ30年前の写真を見つけました。父は、若い時から労働運動の闘士として、眼光鋭く厳しい人でしたが、この写真には、初孫を抱いてうれしそうな穏やかな父が写っていました。「良い写真だなあ。」 父が亡くなって、早いもので9年が経とうとしています。

父は、スポーツで鍛えた屈強の身体能力を持ってしても抗えなかった、すい臓がんを患って苦しみました。体力が落ちているというのに、私への大きなケアーパッケージを自転車の荷台に乗せて押し、町の郵便局からアメリカに送ってくれました。母から聞いたのは、その時、父は簡単な坂道を息切れしながら、やっとの思いで郵便局にたどり着いたということでした。それが、父からの最後のプレゼントになりました。箱の中には、私が好きだった食べ物がたくさん入っていたのです。あたかも父の愛の結晶のようでした。あまりにももったいなくて、しばらく手がつけられなかったのを思い出します。この父の日、「深い愛情を私に注いでくれてありがとう。」と、言いたいです。何十年後かに、父と天国で再会できるのを楽しみにしています。

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