和子さんへの手紙

ネパールの地質調査団に加わって任務を終えた息子が、2週間後に帰宅するというので、ストレッジルームと化した息子の部屋を整えようと、ここしばらく忙しくしています。

息子の部屋のある2階の窓から、最近他州より引っ越してきたという年配のご夫婦が見えます。お二人は小さなデッキに所狭しと並んだガーデンセットの椅子に腰かけ、楽しそうに談話しているのです。マグカップを片手に、新聞を広げているときもあります。朝早い時は、これでもかと着こんでいる奥さんに、ご主人がそっとコーヒーをサーブしているのも見かけました。何気ない生活のひとこま。素敵ですね。

朝は寒くて、昼は暑すぎ、風が強い日が多くて、それに加えガーデンセットが座り心地悪い！色々と理由を付けて、ほとんど裏庭を楽しんだことが無い私。「こりゃあいかん！」と、思いました。「今置かれた場所で、今しかできないことを楽しもう！」と日本帰省中に心に決めたことを、実行に移す時です。

早速、庭に新しい花を植え、草木を剪定し、雑草を抜いて手入れをし始めました。我が家の小さなデッキに合うサイズのテーブルと、心地よい椅子も購入しました。そして、ご近所さんに倣って、朝早くマグカップ片手に裏庭に出ています。それで、和子さんから頂いた手紙の返信を書こうと、思い立ちました。外は快晴、薄緑に染まった山々も美しい。きりりと澄んだ空気の中で、今日も良い日になりそうです。日本は雨季に突入しましたか。和子さんもお身体ご自愛ください。お元気で。